2018年7月17日火曜日

上念 司 著 「経済で読み解く豊臣秀吉」を読みました



こんばんわ、米国株ブログウォッチャーのハイパー愛生男です

最近読んだ本のレビューを書きます
上念 司 著 「経済で読み解く豊臣秀吉」です

「経済で読み解く」シリーズは織田信長に続いての紹介です
歴史上で起こった出来事を経済的な側面から見ていくというのは大変興味深いですし、やはり人間、過去の歴史を学び同じ過ちを繰り返さないということは大切だと考えます

さて、本書の内容のほうなんですが、前の半分くらいが信長の時代のことで、後ろの半分くらいに秀吉のことが書かれています

私が興味深いと思ったのは当時の貨幣についてです、信長の時代は中国から輸入した銅銭が使用されていたのですが、中国で銅がとれなくなってきたために銅銭がはいってこなくなったのです
そうなると、どういうことが起こるかというと、銅銭ですので腐食などで劣化していきます、そうなると人々はなるべくきれいな銅銭を貯めていき、流通に使用されるのは劣化した銅銭ということになります、「悪貨が良貨を駆逐する」です
生産力というのは常に進歩するので、流通するモノ・サービスの量は増えるのですが、当時の日本では輸入しない限り通貨の量が増えないためデフレとなります
デフレは時間がたてば貯めておいたお金の価値が増す状態ですので、人々はお金を貯めこんで使わなくなり経済は停滞します
そこで当時、灰吹法で生産量の増えた銀(現代の日本からは想像もつきませんが、日本は世界を席巻する銀産出国だった)、金も銅銭とのレートを決めて貨幣として使うようになり、これにより江戸時代の発展につながったということです
経済発展より少し通貨の供給量が多いマイルドインフレの状態が経済発展には最適だと上念氏は書かれています


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もうひとつ興味深く思ったのは、秀吉の朝鮮出兵に対する上念氏の分析です
秀吉の朝鮮出兵については秀吉が老いて判断力を失ったからというような説を良くみかけますが、上念氏は秀吉の失敗は日本国内での勝ちパターンから脱しきれなかったためだと述べています
日本国内での戦闘は陸上での戦闘が主で、海軍力を軽視していました

「人は成功体験に縛られ、同じやり方で勝利を得ようとします。ところがある時点で勝利を得るための根本的なルール、状況が変わることがある」
秀吉は日本国内での陸上戦闘での勝ちパターンを海を渡った朝鮮でも適用しようとして失敗したのだと上念氏は分析しています

成功体験にとらわれて、なかなかやり方を変えられないということは投資においてもあることだと思います
勝ちパターンにとらわれないで常に柔軟な思考をすることは大事だと思います
「投資に聖杯なんて存在しない」ということは頭の片隅に置いておかないといけないですね

全体の感想としては上念氏の本は解かりやすく読みやすいですし、面白いのでオススメです
本書単体で読んでも十分楽しめますが「経済で読み解く織田信長」を読んだうえで本書を読んだほうが理解は深まると思います
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