2018年6月13日水曜日

「保険は損するから入るな」論について



まず、「保険はギャンブルだ」というのは、ある意味正しいです
ギャンブル、宝くじ、保険は射倖契約といわれ
偶然の利益を得ることを目的とした契約です
〇〇が起こったらⅩⅩ円支払いますという性質のものです

競馬だったら1着に〇番の馬が来たらⅩ倍の金額
宝くじだったら番号〇〇番のくじを持っていたら1億円

保険の場合は人の生死、傷病、財産の損害といった事故が起こったら
保険金が支払われる

そういう意味で保険はギャンブル等と似た性質のものです

保険はネズミ講だ」については単なる悪口で
保険にはそのような性質はありません


宝くじの胴元の取り分55%
競馬が20%~25%

保険の場合はどうでしょうか?

保険にも胴元(保険会社や代理店)の取り分があり
実際の保険金の支払いに充てられる純保険料に対して
付加保険料と呼ばれます

付加保険料の割合は開示されてきませんでしたが
ライフネット生命は開示しています
(東洋経済オンライン「生命保険の付加保険料率は正当化できるのか」より)

これは定期死亡保険(掛け捨ての保険)の場合で38~17%
格安と言われるネット生保でも胴元の取り分がこれだけあります
競馬よりも胴元が取っています

投資的観点から言えばマイナスサムゲームと言えます
更に積立型となる保険は積立分についても
現在の日本の金利状況から考えると
米国株に投資した場合の期待値より低くなります

ですので、私は積立型の保険は必要ないと考えています

しかし、掛け捨て型の保険は違います
実際に保険事故が起こらない場合は丸損ではありますが

もし、あなたが死亡した場合
夫婦であれば配偶者が、子供がいる場合はその子供の
独立するまでの貯えがあれば保険は必要ありません
貯えの無い人は掛け捨ての保険に加入しておくのも
当座の手当てとしては有効な選択だと考えます

遺族年金があることを考えれば
そこまで過大な保険金額で掛けなくて大丈夫です

掛け捨ての保険で保険料を低下させて
低下させた分は自分で運用する
そうして貯えが出来てくれば
保険金額を調整して保険料を低くしていくと良いです


医療保険については現在の健康保険制度の下では
私は必要ないと考えています


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損害保険では火災保険や自動車保険は皆さん加入されると思います
傷害保険については必要ないと私は考えています

損害保険の分野で私が特に必要だと考えているのは
個人賠償責任保険です
火災、自動車、傷害保険に特約として付帯したり
クレジットカードに付帯させたりできます

物を壊したというような場合の賠償責任なら
個人の貯えでもなんとかできるケースが多いと思います

しかし、人が相手となると話が違ってきます
例えば、先日もスマホをいじりながら自転車に乗っていて
歩行者と衝突して死亡させたという事故がありました

上記のような死亡事故なら何千万単位の賠償額となりますし
自転車に限らず、歩いていて人とぶつかって
ケガで入院程度までなら、個人の貯えでなんとかできると思いますが
後遺障害レベルになると難しくなってきます

「後遺障害なんて、そんな起こらんやろ」と考えられると思いますが
実際確率は低いでしょう
事故率が低いため保険料も月300円程度です

歩いていて曲がり角でちょっと老人とぶつかってしまい
老人が転倒、骨折してそのまま寝たきりなんてことがあれば
そんなちょっとした出来事だけで
あなたの資産形成は致命的なダメージを受ける可能性もあるのです

確率が低く、マイナスサムゲームだからという理由で
競馬や宝くじと同列に保険を無駄だと決めつけるのは
理性的な判断ではないと私は考えます

保険は損失を補填するためのもので
そもそも、保険でトクをするという考え方自体がナンセンスです


余談ですが
保険について、一から売り手に相談するというのはオススメしません
彼らは保険セールスのプロなわけで
話しているうちに、その時売りたい商品を薦めてきますし
月額で見ると少ない金額の上乗せでの特約付帯を狙ったりもします
銀行窓販の投信と同じです
自分に必要なものだけ調べて買いにいった方が良いです


保険は長期間払うものなので
人生で二番目に高い買い物」とも言われます
保険貧乏には気を付けて必要に応じて適切に加入したいですね
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